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a madman's diary

狂人日記

右利き

左手のほうが握力が強いことに気がついたのは、高校生のときだった。中高六年間、陸上部だったが、クラウチング・スタートの利き足もそういえば人と反対だった。私が弾くピアノはよく知っているはずの曲がなんだか知らない曲に聴こえてしまうのだが、あれは左が強くて歪だったのだ。

小学校に上がる頃になって、ようやく右手で箸を持ち、字が書けるようになった。なかなか直らなくて、母はさんざん苦労したらしい。左手が使えなくなると、左手を使っていた頃の記憶も失われた。

「ありのままの貴方でいいのよ」

といわれても、もはや左手を使うことはできない。

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